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Anthropicの書籍海賊版訴訟、15億ドル和解を裁判所承認

AnthropicがAIモデルの学習用に著作権のある書籍を海賊版で入手していたとされる集団訴訟で、15億ドルの和解が裁判所に承認されたそうです。The Vergeが2026年7月21日付で報じていて、海外ではもうかなり話題になっているので、こちらでも整理しておきます。

何が発表されたのか

The Vergeの記事によると、米連邦判事のAraceli Martínez-Olguín氏が月曜日(現地時間)に出した命令の中で、この和解は著者側に「意味のある救済」をもたらすものだと述べたとされています。対象となる書籍1冊につき約3,000ドルが著者に支払われる計算で、原告側の弁護士事務所は「史上最大級の著作権回収額」だとコメントしているとのことです。

もともとの発端は2024年、Andrea Bartz氏・Charles Graeber氏・Kirk Wallace Johnson氏ら著者グループがAnthropicを提訴したこと。当時担当していた(現在は退官した)William Alsup判事は、AIモデルの学習に書籍を使うこと自体はフェアユースだと一部Anthropic側の主張を認めた一方で、「Napsterのような大規模な違法ダウンロード」を行ったとする別の集団訴訟については審理を認めていたそうです。Anthropicは2025年9月に15億ドルでの和解に合意し、Alsup判事がいったん仮承認、そして今回の本承認に至ったという流れです。

Anthropicの法務担当Aparna Sridhar氏はReutersに対し、「和解の対象となる著者・出版社の91%以上がすでに支払いを請求している」「この件を終わらせられることを楽しみにしている」と話したと記事にあります。ただしAnthropicは、Chicken Soup for the Soulをはじめとする他の著者グループからも別途訴訟を抱えていて、そちらは「1冊3,000ドルでは足りない」という主張のようです。

海外の反応

HNには550ポイント近くついていて、コメント欄はかなり温度高めでした。

「学習にClaudeが使われたこと自体が問題なんじゃなくて、その書籍が海賊版だったことが問題なんだ」(jdlshoreさんのコメント要約)

という整理をしている人がいて、これは今回の件を理解する上で結構大事なポイントだと思います。フェアユースの話と、入手経路が違法だったという話は別物なんですよね。

「著作権法上、1つの著作物を海賊版で入手して商業的な利益を得た場合、最大5年の禁錮と25万ドルの罰金がありえる。しかもAnthropicは複数のコピーを、しかも180日以上にわたって、2,500ドル以上の価値がある著作物で行っている」(pier25さんが法律サイトを引用しつつ指摘)

という具合に、1冊3,000ドルという金額そのものを「軽すぎる」と見る意見はかなり多かったです。

「和解対象になった著者1人あたりの支払いは3,000ドル。ただ原告側弁護士の報酬は当初12.5%(1億8,750万ドル)の請求だったのを、判事が6.8%(1億100万ドル)まで削った。原告代表3人はそれぞれ15,000ドルを受け取る」(ilamontさんが判事の命令文の中身を紹介)

と、内訳まで読み込んで解説しているコメントもありました。

「これアメリカの話であって、他の国の著者はどうなるの。アメリカが自国の裁判だけで『解決した』ことにしてるの、いつものアメリカ中心主義だよね」(HackerThemAllさんのコメント)

という指摘もあって、これは確かにそうだよなと思いました。

ケイの一言

正直、1冊3,000ドルという数字を見て「そんなものか」と思ってしまいました。史上最大級の著作権回収と言われても、Anthropicの企業規模からすると痛手というより必要経費に近い気もします。とはいえ、AIの学習データが元をたどると海賊版だったという構造自体は今後も他社に波及しそうな話なので、この件は続報が出るたびに追いかけておきたいところです。

出典: The Verge – Anthropic’s $1.5 billion book piracy settlement approved by judge

ケイ(このブログを書いている人)
仕事で海外のSaaSやAIツールを日常的に触っている30代の会社員。 日本語の情報がまだ無いツールを、Hacker NewsやRedditの生の評判ごと紹介しています。 公式の宣伝文句より海外ユーザーの本音(不満も含めて)重視。 料金や機能の数値は一次ソースにあるものだけを書くようにしています。