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GPT-5.6一般提供と大幅値下げまとめ

OpenAIのGPT-5.6ファミリー(Sol・Terra・Luna)が、7月9日にMicrosoft FoundryでのGAを経て、7月30日にはさらに大幅な値下げに踏み切りました。GA発表からわずか3週間ほどで価格が動くというのはなかなかのスピード感なので、価格の変遷とHacker Newsでの反応を整理しておきます。

今わかっていること

GPT-5.6は「Sol」「Terra」「Luna」の3ティア構成です。Microsoft Foundryのブログによると、Solは拡張推論やエージェントワークフロー、コード関連タスク向けの最上位モデル、Terraは日常業務向けのバランス型でGPT-5.5に匹敵する性能をより低コストで、Lunaは高頻度・低レイテンシ向けの最速・最安モデルと位置づけられています。7月9日時点でのFoundry上の標準料金(100万トークンあたり)は次の通りでした。

  • Sol:入力$5.00/出力$30.00(キャッシュ入力$0.50、キャッシュ書き込み$6.25)
  • Terra:入力$2.50/出力$15.00(キャッシュ入力$0.25、キャッシュ書き込み$3.13)
  • Luna:入力$1.00/出力$6.00(キャッシュ入力$0.10、キャッシュ書き込み$1.25)

この料金はEdenAIが伝えていた6月26日時点のプレビュー価格ともほぼ同じで、Terminal-Bench 2.1(エージェント型コーディングのベンチマーク)ではSol Ultraが91.9%、通常のSolが88.8%を記録し、Claude Mythos 5とGPT-5.5の88.0%をわずかに上回ったと報じられています。サイバーセキュリティ関連の評価では、脆弱性やエクスプロイトの一部は見つけられるものの自律的なサイバー攻撃までは実行できず、「Cyber Critical」の閾値は下回ったとのことです。

そして7月30日、Yahoo Finance(Stocktwits配信)によると、OpenAIはLunaを80%、Terraを20%値下げしました。新料金はLunaが入力$0.20/出力$1.20、Terraが入力$2/出力$12。Cryptonomistの集計では、入力と出力を単純合算した「combined」価格でLunaが$7から$1.40へ、Terraが$17.50から$14へ下がったとしています。Lunaの$1.40はGoogleのGemini 3.5 Flash-Lite($2.80)やGemini 3.6 Flash($9)を下回る水準で、TerraはGemini 3.1 Pro Preview(コンテキスト20万トークンまで)とほぼ並んだそうです。ちなみにTerraの新価格は、OpenAI自身の旧モデルGPT-5.4(入力$2.50/出力$15のまま)よりも安くなっています。

値下げと同時に、最上位Solには新しい「Fast mode」も追加されました。標準料金の2倍にあたる入力$10/出力$60(combined $70)で、従来のPriority Processing枠を置き換える形で最大2.5倍のスループットを出せるとのことです。OpenAIは値下げの理由として、ハードウェアのルーティング改善や推論ソフトウェアの最適化に加えて、「GPT-5.6 Sol自身が本番のコードカーネルを書き換えて、モデルの提供コストを20%削減した」ことを挙げています。トークン生成の効率化実験も重ねており、生成効率は15%以上改善したそうです。

これまでの経緯

  • 6月26日:EdenAIによれば、GPT-5.6 Solが政府による利用制限つきの限定プレビューとして発表される。Sol・Terra・Lunaの3ティア構成と、Sol上位版の「Sol Ultra」も同時に案内された。
  • 7月9日:Microsoft Foundryのブログで、GPT-5.6シリーズ(Sol・Terra・Luna)が正式にGA。あわせてAPAC Data ZoneとFoundry Agent Serviceのホスト型エージェントもGAになった。
  • 7月30日:OpenAIがLuna80%・Terra20%の値下げとSolの新Fast modeを発表。CEOのSam AltmanはXで「今日の大幅値下げ」と投稿した。
  • 7月31日:Yahoo Finance(Stocktwits)とCryptonomistが値下げの詳細と競合比較を報道。両記事とも、GoogleとAnthropicがそれぞれ数日前にコスト効率化の動きを見せていたタイミングと重ねて紹介している。

海外の反応

Hacker Newsの「GPT-5.6」スレッド(1561pt)では、賛否入り混じった反応が出ています。

system2さんは「結局、小数点を変えて話題を保ってるだけだろう」と皮肉っていました。

rvzさんは値段そのものに注目していて、「Fable 5と同じくらい高い。また値上げが続く一方で、中国のオープンウェイトモデルが価格を0ドルに近づけていくだけだ」と冷めた見方をしていました。

一方で好意的なコメントも目立ちます。saberienceさんは、OpenAIが公開した「Agents’ Last Exam」というベンチマークで、Sol(拡張推論)がClaude Fable 5を13.1ポイント上回る53.6を記録し、中程度の推論設定でも約4分の1のコストで11.4ポイント上回ったという数値を引用し、「かなり大きな主張だ、実際の使用感が楽しみ」とコメントしていました。cbg0さんは「Terra(中間モデル)はDeepSWEでFableと同等なのに、Opusの API料金より安い。ホームランだ」と評価しています。enraged_camelさんは、リリースノート中に「Fable」という単語が15回も出てくることに触れて、「自社モデルの発表でここまでFableに言及するなんて、相当意識してるんだろう」と皮肉交じりにコメントしていました。

ケイの一言

Sol・Terra・Lunaってブランド名を分けてきたのは「型番よりイメージで売りたいのかな」と思う一方で、Lunaが100万トークンあたり合計$1.40まで落ちてきたのは素直に大きい話だと思います。GeminiのFlash-Liteより安いって、数か月前だったら考えにくかったんですよね。ベンチマークで0.8ポイント差を大きく打ち出すあたりはいつも通りだなという感じもしますが、値下げの理由に「Sol自身が本番コードを書き換えてコストを削った」って書いてあるところは、地味に面白いところだと思います。

ケイ(このブログを書いている人)
仕事で海外のSaaSやAIツールを日常的に触っている30代の会社員。 日本語の情報がまだ無いツールを、Hacker NewsやRedditの生の評判ごと紹介しています。 公式の宣伝文句より海外ユーザーの本音(不満も含めて)重視。 料金や機能の数値は一次ソースにあるものだけを書くようにしています。