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ザッカーバーグのAI宣言、海外は総ツッコミ

メタのマーク・ザッカーバーグ氏が、個人向けAI「パーソナル超知能」について語る6500語の論考を発表しました。TechCrunchはこの論考について、本人はAIの明るい未来を描こうとしているのに、文章のあちこちで自らAIのリスクを裏付けてしまっていると評しています。Hacker Newsでも400ポイント超のコメントがつき、賛否含めて話題になっているので紹介します。

何が発表されたのか

ザッカーバーグ氏は月曜日、メタが開発を進める「パーソナル超知能」システムについて6500語の論考を公開しました。TechCrunchによれば、同様の内容は2週間前にウォール・ストリート・ジャーナルにも掲載されており、メタの決算説明会でも語られてきた内容とのことですが、今回が最も詳細なバージョンだとしています。

記事は「反ドゥーマー(悲観論への反論)」的なエッセイと紹介されることもあるが、それは正確ではなく、ザッカーバーグ氏個人がAIによる社会変化に期待している理由を綴ったもの、とTechCrunchは位置づけています。

論考の中でザッカーバーグ氏は、教育分野について「誰もがPhD級の家庭教師とコーチを無限の忍耐力つきで持てるようになる」と述べています。これに対しTechCrunchは、それはすでにChatGPTやClaude、Geminiのようなチャットボットとして存在している製品であり、実際の教育現場での主な使われ方は「学習を避けるため」、つまり宿題や課題エッセイをAIに書かせることだと指摘。頑健な電子透かしの仕組みもなく、教師がどの文章がAI生成かを見分ける手段がない、と書かれています。

法律分野についても、ザッカーバーグ氏は「一人だけが超知能の弁護士を持てば不公平だが、全員が持てば司法はより公平かつ効率的になる」という思考実験を示しています。料金面では、無料または低価格のプランを提供しつつ、より多くの計算資源を使いたい人向けに動的なオークション方式で価格を決める仕組みを構想していると述べています。TechCrunchはこの動的オークション(サージプライシング)について、実際の消費者向けAI製品の多くが利用者を計算資源のスポット価格から切り離している現状を挙げ、疑問を呈しています。

また記事は、メタが直近で567百万ドル(約5.67億ドル)の罰金を子どもへの害を理由に裁判所から科されたこと、米国の調査で64%が「ソーシャルメディアは民主主義に有害」と考えており、同程度の割合が「より厳しい規制が必要」と答えているという調査結果にも触れ、フェイスブック・メタへの世間の不信がAIへの不安の背景にあると論じています。

海外の反応

Hacker Newsには400ポイントを超えるコメントがつき、内容は総じて懐疑的なものが目立ちました。

「これは『自分が負けているから、ルールを変えようとしているのでは』という話に見える」(forestrywatさん)

「今日メタが良いことをしたタイミングが、数日前にメキシコから制裁金を科されたばかりというのは、偶然ではなさそうだ」(fsutsさん)

「ザッカーバーグの文章で一番好きな一節はここ。『AIが大半の仕事と人類の存在意義を奪うと信じている人が、なぜそんな未来を急いで作ろうとするのか理解できない』という部分」(blueSky1989さん)

「オープンソースが増えるのは基本的にいいことでは? この状況の何を見落としているのか教えてほしい」(ViktorRayさん)

「フロンティアモデルは結局どれもクローズドだ。オープンウェイトを『オープン』と認めたとしても、自前でKimi 3級のモデルを動かす計算資源の要件は非常に大きい」(moominさん、上のコメントへの返信)

同じ日にメタが公開したオープンウェイトのローカルコーディングモデル「Meta Muse Glimmer(30B)」の話題もあわせて出ており、論考の中身よりも「オープンさ」自体を評価する声も一部ありました。

ケイの一言

正直、書いてある理念自体はそこまで突飛じゃないんですよね。誰もが安価にAIを使えるようになればいいというのは分かる。ただTechCrunchの筆者が言う通り、教育の例も法律の例も「理想論としては分かるけど、現実に起きていることと乖離してない?」というツッコミどころが多くて、そこが叩かれる原因になってる気がします。567百万ドルの罰金の話とか、ソーシャルメディアへの不信の話を持ち出してるあたり、結局「メタだから」という文脈を抜きに読めない論考だなというのが率直な感想です。

本記事はTechCrunchの記事を参考にしています。

ケイ(このブログを書いている人)
仕事で海外のSaaSやAIツールを日常的に触っている30代の会社員。 日本語の情報がまだ無いツールを、Hacker NewsやRedditの生の評判ごと紹介しています。 公式の宣伝文句より海外ユーザーの本音(不満も含めて)重視。 料金や機能の数値は一次ソースにあるものだけを書くようにしています。