Hugging Faceが399ドルの小さいアヒル型ロボットを発表したというニュースが海外で話題になっていたので紹介します。TechCrunchの記事によると、名前は「Microduck」で、クリスマス前には出荷が始まる予定だそうです。
何が発表されたのか
TechCrunchによると、Hugging FaceはThursday(記事公開の8月27日の前日)にMicroduckを発表しました。CEOのClem Delangue氏はこれを「強化学習で新しい芸を教えられるオープンソースロボット」と説明しているとのことです。
本体の高さは25センチで、よちよち歩き、くちばしで物(最大800グラムまで)をつかむ、転んでも自分で起き上がる、しゃがむ、さらにローラースケートまでできるそうです。Delangue氏は「物理AIとワールドモデルを民主化する、オープンソースで手頃な価格のロボットの時代へようこそ」ともコメントしています。
Hugging Faceはもともと開発者が公開されたモデルの重みを探しに行くプラットフォームとして知られていますが、2025年4月にフランスのスタートアップPollen Roboticsを買収してハードウェア分野に進出したという経緯があります。その数か月後にはデスクトップ型ロボット「Reachy Mini」を発売していて、現在はRaspberry Pi搭載の499ドル版と、Mac/PCで動く399ドルの「Reachy Mini Lite」を販売中とのことです。
Microduckはカメラ、LiDARセンサー、2つのIMU(慣性計測ユニット)で周囲を認識するそうです。Pollen Roboticsによれば、動きはシミュレーション上で学習させてそのまま実機にデプロイでき、開発者が後からファインチューニングしたり再学習させたりすることもできるとのこと。SDKとシミュレーション環境、強化学習の学習スタック一式はGitHubで公開されているそうです。
プライバシー面については、Delangue氏が以前TechCrunchに、オープンソースのモデルで動くロボットの方が「一握りの組織が管理するブラックボックス」よりプライバシーの観点で優れている、と語っていたと記事は触れています。ただし記事自体も指摘している通り、オープンソースは監査可能性を担保するだけで、その上に載せるアプリがカメラやマイクのデータを外部に送らない保証にはならない点は注意が必要そうです。
タイミングとしては、Hugging Faceが評価額130億ドルでNvidiaに買収される見通しだと報じられている最中の発表だという点も記事は指摘しています。NvidiaはHugging Faceに2023年ごろからインフラを提供してきた関係で、両社ともオープンソースAIの推進を公言してきた間柄とのことです。あわせて、OpenAIの安全性テスト中にHugging Face側のサンドボックスが突破され、プラットフォームのサーバーに侵入されたというセキュリティインシデントも最近話題になっていたと記事に書かれています。
海外の反応
Hacker Newsでは1823ポイントとかなり盛り上がっていましたが、コメントの中心はMicroduckそのものより、同時に報じられたNvidiaによる買収の方に向いていました。
andy42というユーザーは「オープンウェイトAIのエコシステムはHugging Face一極集中になりすぎている。とはいえ、いずれ買収されるか強引にマネタイズされるのは見えていたし、Nvidiaは比較的相性のいい買い手の部類だとは思う」とやや消極的な肯定をしていました。
一方でrjzzleepは「これは良いことではない。オープンソースを増やしているのはコミュニティからの圧力があるからで、Nvidia自体はオープンソースにも消費者にも冷たい会社だ。外部からの貢献はよく塩漬けにされるか却下される」と厳しい見方を示していました。
petterroeaも「ユーザーにとって良かった買収なんて見たことがない。今回も違うとは思えない」と懐疑的でした。
逆にmanlymuppetは「独占という意味では最悪の可能性もあるけど、最近の大型買収を見る限り開発者は無料や割引のクレジットをたくさんもらえるようになる。VCのお金を好きなだけ使わせてもらうのは大歓迎」と実利的なコメントを残していました。
noviaは「最近のインシデントを踏まえると、Nvidiaが同じネットワーク上にいるのは本当に望ましいことなのか」と、セキュリティ面での不安を書いていました。
ケイの一言
399ドルでローラースケートまでできるアヒルロボットって、単体で見ると普通に欲しくなるガジェットなんですよね。でもHacker Newsの反応を見ると、みんなMicroduckそのものより「これ、Nvidia傘下になった後も同じノリで出し続けられるの?」という方が気になってるみたいで、そっちの空気の方が印象に残りました。買収の話自体はまだ「in talks」の段階だとコメントでも突っ込まれていたので、確定情報として見ない方がよさそうです。
この件はTechCrunchの記事を参考にしました。