海外の受信トレイ管理ツールとしてずっと名前だけは聞いていたSuperhumanですが、公式サイトを覗いてみたら、いつの間にかGrammarlyと同じ会社の傘下でMail・Grammarly・Docs・Goという4本柱のプロダクトになっていました。今回は公式サイトと料金ページ、それとHacker Newsに残っていたSuperhumanに関するスレッドを読み込んで、何ができるツールなのか整理してみます。英語のメール処理を高速化したい人や、チームのメール運用に課題を感じている人向けの内容です。日本語の紹介記事がまだあまり無いツールなので、今のところ分かる範囲でまとめておきます。
Superhumanとは?何ができるのか
公式サイトのトップを見る限り、Superhumanは単体のメールアプリというより、Mail・Grammarly・Docs・Goという4つのプロダクトを束ねる会社になっているようです。トップページのコピーは「Mail, Docs, and AI that works in every app and tab」。AIがあらゆるアプリ・タブで働くようになる、という打ち出し方をしています。
核になっているのはMailで、公式には「受信トレイを今までの2倍の速さでこなせて、毎週4時間の節約になる」とうたわれています(もちろんこれは公式の主張であって、第三者の検証結果ではありません)。AI関連の機能としては、料金ページの一覧にWrite with AI、Instant Reply、Instant Event、Auto Archive、Auto Labels、Auto Reminders、Auto Summarize、Autocorrect、Autocomplete、Ask AI、Voice and Tone Match、Knowledge Base、Superhuman Mail MCPといった項目が並んでいました。メールの下書き作成から自動振り分け、要約、口調の学習まで、かなり細かく機能が分かれている印象です。
Grammarlyのページは「Everyone’s favorite AI writing partner」というコピーで、思考を明確で説得力のある文章に変える、書く場所を選ばず動く、と紹介されています。もともと単体の文章校正ツールとして有名だったGrammarlyが、Superhumanのサイト内で同列のプロダクトとして扱われているのは、正直ちょっと意外でした。
Docsは「The best place for teams and AI to work together」。AIを使ったワークフロー構築、AI-nativeなチームハブでの共同作業、800以上のツールとの連携、ClaudeやChatGPT、Cursorとの連携が可能だと書かれています。Goは「the proactive AI assistant that knows what you know and offers help without you having to ask」という説明で、GmailやDrive、Jiraなどのアプリと接続し、会話から離れずにミーティングを組んだりできる、プロアクティブ型のアシスタントという位置づけです。
また、公式サイトにはBrex(レスポンス速度が3倍になった)、UserGems、Deel(メール対応の不安が減った)といった導入事例も掲載されていました。Go NimblyのCEOやChapter OneのManaging Partnerからの推薦コメントも載っていますが、これらは公式が選んで載せている声なので、その点は割り引いて見る必要があります。
料金プラン
料金ページはStarter・Business・Enterpriseの3プラン構成で、機能はSuperhuman AI、Email Productivity、Calendaring & Scheduling、Team Collaboration、For Sales、Team Administration、Security、Support & Trainingという8つのカテゴリに分かれて一覧表示されています。ただ、正直に言うと、このページからは各プランの月額・年額といった具体的なドル金額は読み取れませんでした。分かったのは「Annual Billing(年払い)」という表記があることと、Enterpriseだけは個別見積もりの「All-in Enterprise Pricing」になっているということくらいです。
| プラン | ソースから分かること |
|---|---|
| Starter | 機能一覧の一番左の列。具体的な金額の記載はソース内になし |
| Business | Starterより機能項目が多い構成(詳細な対応表はページから読み取れず) |
| Enterprise | 「All-in Enterprise Pricing」=個別見積もり。Technical SupportがEmail & Video Call、Account ManagementがDedicated Customer Successなど手厚めのサポート項目が並ぶ |
セキュリティ関連ではSOC II Type II、Single Sign-On、User Provisioning(SCIM)、Google Advanced Protection、Bring Your Own Key(BYOK)、Audit Logsといった項目名も並んでいて、エンタープライズ向けの管理機能はそれなりに揃っている様子です。ただどの機能がどのプラン以上で使えるのかまでは、このページのテキストだけでは判別できませんでした。実際の金額感が知りたい人は、公式サイトで見積もりを取るしかなさそうです。
海外での評判
Hacker Newsには「Superhuman embeds tracking pixels in user emails」という467ポイント・241コメントのスレッドと、「Superhuman: What can AI do in 30 minutes?」という320ポイントのスレッドが立っていました。前者はメールの追跡ピクセル(開封確認用の仕組み)を巡る議論です。
「あ〜あ、Superhumanか。とんだ誇大宣伝だな。ようやく招待をもらえたと思ったら、Androidに対応してないと知った。しかもほぼMac専用のワークフローじゃないか……人脈のある創業者がVCの友人たちに宣伝させて、限定的でクラブっぽい雰囲気を作って儲けたんだろうな」(dannykwellsのコメントより、意訳)
かなり手厳しいですが、招待制やMac中心という話は当時のコメントなので、今もそのままかどうかはこの記事のソースだけでは確認できません。一方で、追跡ピクセル自体については、そこまで驚くことではないという声もありました。
「このトラッキングの手口はHTMLメールと同じくらい昔からあるものだと思ってた。少なくともGmailは画像を自社側でキャッシュして、追跡を防いでいたはずだけど」(Udikのコメントより、意訳)
「これはメール業界がインスタントメッセージやTwitterにようやく追いついただけの話。少なくともメールなら画像読み込みをブロックしてトラッキングを防げる。FacebookやTwitterではそれもできない」(jbob2000のコメントより、意訳)
もう一つのスレッド「Superhuman: What can AI do in 30 minutes?」では、法律関係の実務での使い方を紹介するコメントもありました。
「AIを使えば何千件もの訴訟関連の書類の中から、今扱っている案件に関連するものだけを絞り込める。428件の案件ファイルに目を通すのに、ちょうど30分しかかからなかった」(netnomad8のコメントより、意訳)
まとめると、機能そのものへの評価というよりは、招待制・Mac偏重といった「入り口の狭さ」への不満と、追跡ピクセルのプライバシー面への懸念が目立つ一方、AIによる情報整理という使い方には肯定的な声もある、という感じでした。
日本語対応と日本からの使い勝手
公式サイト、料金ページ、Hacker Newsのスレッドのどこを見ても、日本語対応についての記載は見当たりませんでした。UIやサポートが日本語に対応しているかどうかは、このソースからは判断できません。気になる人は公式に直接問い合わせるのが確実だと思います。
登録して始めるまで
公式サイトのあちこちに「Get Superhuman」というボタンが置かれていて、そこから登録に進む導線になっているところまでは確認できました。ただ、実際にどんな画面が続くのか、メールアカウントとの連携やトライアル期間があるのかといった細かい手順は、サイトのテキストからは読み取れませんでした。料金ページのFAQには「What email accounts does Superhuman Mail support?」「Which pricing plan is right for me?」「What forms of payment do you accept?」「How do I cancel?」「What platforms does Superhuman Mail support?」「Can I add or remove users later?」といった質問項目は並んでいるんですが、その回答の中身までは取得できていません。先ほどのHNコメントでは「招待制だった」という話も出ていたので、昔は招待が必要だった可能性はありますが、今の登録方式が同じかどうかは確認できませんでした。
まとめ:向いてる人・向いてない人
Mail・Grammarly・Docs・Goと機能を横に並べているだけあって、メールの処理速度を上げたい人だけでなく、文章作成からチームのドキュメント管理まで一通りAIに寄せたいチームには向いていそうです。ZoomやGoogle Meet、HubSpot、Salesforceといった既存ツールとの連携項目も並んでいたので、営業寄りのチームでの利用も想定されているんだと思います。
一方で、料金ページに具体的な金額が出ていない時点で、他ツールとの比較がしづらいのは正直ネックです。まぁ、値段が分からないと結局は問い合わせてみるしかないんですけど。追跡ピクセルへの懸念や、過去に語られていた招待制・Mac偏重という話も、気にする人には気になるところだと思います。プライバシーやオープン性を重視する人よりは、チームでのメール・ドキュメント業務をAIでまとめて効率化したい人向けのツール、というのが今回ソースを読んだ上での印象です。