会議の文字起こしと要約を自動でやってくれるAIツールとして、海外では老舗どころのOtter.ai。Zoom・Teams・Google Meetにbotを送り込んで議事録を作るタイプのツールなんですが、実はHacker Newsで「同意なく会議に入ってくる」という批判スレッドが600ポイント超えで伸びていたりもします。日本語での紹介記事がまだ少ないみたいなので、公式サイトの情報と海外掲示板の反応を突き合わせてまとめてみました。
Otter.aiとは?何ができるのか
公式サイトの説明によると、Otter.aiは会議を丸ごと文字起こしして「検索できるナレッジ」に変えるAIノートテイカーです。使い方は2種類あって、ひとつはOtterのbotをZoom・Microsoft Teams・Google Meetに自動で参加させて録音する方式、もうひとつはMac/Windowsのデスクトップアプリでbotを使わずに録音する方式(”A desktop app for bot-free meetings”)。iOS/Androidアプリもあります。
機能としては、複数言語でのライブ文字起こしと話者識別、決定事項やアクションアイテムを自動でまとめる要約機能、会議をまたいで横断検索できる「Otter AI Chat」、会議ごとの内容をチームやプロジェクトで整理する「Channels」あたりが軸。Slack・Salesforce・HubSpot・Notion・Jira・Asana・Google Docs・Dropboxなど連携先はかなり多いです。あとMCPサーバーを提供していて、ChatGPTやClaudeから自分の会議データを直接参照できるようになっているのは地味に面白いポイントだと思います。営業・教育・メディア・採用向けにそれぞれ特化したエージェント(Sales、Education、Media、Recruiting Agent、SDR Agent)も用意されています。
料金プラン
公式Pricingページによると、プランはBasic・Pro・Business・Enterpriseの4段階。ワークスペースの人数上限もプランごとに決まっています。
| プラン | 月額の目安 | ワークスペース人数上限 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| Basic | 無料(Free forever) | 5 | 月300分の文字起こし、生涯3回までのファイルインポート、Zoom/Teams/Google Meet連携、AIチャット、Otter MCPサーバー |
| Pro | 年払いだと「save 51%」表記あり | 5 billed users | 月1200分のアプリ内録音、月10ファイルまでインポート、1会議90分まで、無制限ストレージ、高度な検索・書き出し、Salesforce/HubSpot/Zapier連携 |
| Business | $19.99/user/month〜(トップページ表記、Pricingページでは年払いで「save 33%」) | 25 billed users | 会議・録音は無制限、月6000分の文字起こし(1会議4時間まで)、3件同時会議参加、管理者向けの利用状況分析、優先サポート |
| Enterprise | 要問い合わせ(Schedule a demo) | Unlimited | SSO/SCIM/Domain Capture、HIPAA対応(アドオン)、Otter API&Webhooks、CRM・ダイヤラーとのカスタム連携 |
正直に言うと、Proの月額表示がPricingページ上で数字がバラバラに分割表示されていて(月払い・年払いの切り替えもあって)はっきり確定できなかったので、ここでは「save 51%」「save 50%」という割引表記だけ載せています。あと年払いのProはさらに「$4.17/user/month」まで下がる表記があるんですが、これは「インド発行のクレジットカード限定」という注記付きなので、日本から使う場合は当てにしない方がいいです。Businessは料金ページ上で月払いだと「$30→$24(20% off for 3 months)」という表示もあって、正規の月額は正直つかみきれませんでした。
海外での評判
Hacker Newsを見ていて一番目についたのは、「Otter.aiのbotが同意なく会議を録音していた」というTell HNスレッド(612pt、176コメント)でした。投稿者は無料ユーザーで、サポートチケットを送っても返信がなかったという話から始まっています。
「プライバシーにうるさい方じゃないと思っていたけど、今回の件は完全に踏みにじられた気分だ。スクショ付きでサポートチケットを送ったが返信がない。Twitterによると無料ユーザーのチケットは今のところレビューされていないらしい」(that_guy_iainのコメントより)
それに対して他のユーザーからは、権利州(two-party consent州)での盗聴法に抵触するのでは、という指摘も出ていました。
「これが違法な盗聴にあたる場所は結構ある。あなたがやったのか、Otter.aiがやったのかは議論の余地があるけど」(colechristensenのコメントより)
デフォルトで文字起こしが会議参加者全員に共有される仕様に驚いて、アカウントを消したという声もありました。
「その件でアカウントを消した。会議の参加者全員にデフォルトで内容が共有されるのも嫌だった。同僚から『文字起こしのメールが届いたよ』と言われて全然いい気分じゃなかった」(xyosのコメントより)
一方で、別のHNスレッド「Otter.ai has saved reporters hours transcribing interviews. Caveat emptor」(234pt、118コメント)では、記者がインタビューの文字起こしに時間を節約できている実例も紹介されていて、便利さ自体は否定されていない感じでした(ただしタイトルの”Caveat emptor”=「買い手責任で」が示す通り、注意喚起込みの文脈です)。代替ツールとしてFireflies.aiやRewind.aiの名前を挙げているコメントもあって、プライバシー面での不満から乗り換えを検討している人が一定数いるのは間違いなさそうです。
日本語対応と日本からの使い勝手
公式サイト・Pricingページの中に、日本語対応を明記した記述は見当たりませんでした。「Multi-language support」「Live transcription in multiple languages」という表現はあるものの、対応言語の一覧や日本語が含まれるかどうかは書かれていません。料金もUSD表記のみです(Pricingページには”Prices in USD”と明記)。日本語の会議で使えるかどうかは、この情報だけでは判断できないというのが正直なところです。
登録して始めるまで
公式サイトのトップには「Start for free」ボタンがあり、Basicプランは無料で始められます。Mac版・Windows版のダウンロードリンクも用意されていて、デスクトップアプリからbotなしで録音する使い方も選べます。Pro・Businessは「Buy now」のボタンから購入する流れで、トップページのBusinessの説明には「7-day free trial included」という記載がありました。Enterpriseは「Contact sales」または「Schedule a demo」から問い合わせる形で、個別見積もりになるようです。ソースに書かれているのはここまでで、実際の登録画面の細かい手順までは分かりませんでした。
まとめ:向いてる人・向いてない人
機能だけ見れば、複数の会議ツールと連携しながら文字起こし・要約・アクションアイテム抽出までまとめてやってくれるのは便利だと思います。特にbotを会議に入れずにデスクトップから録音できる点は、他ツールとの差別化ポイントとして公式も推している部分です。
ただHNのスレッドを読む限り、「同意なくbotが会議に参加した」「文字起こしがデフォルトで全員に共有される」という不満は結構根深くて、しかも無料ユーザーへのサポート対応が薄いという声もありました。社内の機密会議や、参加者全員が録音に納得しているとは限らない場面で使うなら、共有設定と参加者への事前告知は自分でちゃんと管理した方がいいです。個人のインタビューや議事録用途で割り切って使う分には、海外の記者も実際に時間を節約できていると言っているので、そこは素直に評価していいポイントだと思います。日本語対応が明記されていない点は、日本から使う上ではネックになりそうです。